NATROM氏の詭弁を見抜く練習問題(1):必殺・濡れ衣着せの術

練習問題(1)

「NATROMの日記」の2009年9月25日のエントリー[シートベルトは死亡を防がない? ニセ科学を見抜く練習問題シリーズ]の当初版の記事本文の以下の記述でNATROM氏はどのような詭弁を使ってるでしょうか?[先入観念を植え付けられないように、まず、先に桜子さんのコメントから御覧下さい。]

次の囲みの文章は「NATROMの日記」の当初版より引用


インフルエンザワクチンの効果に否定的な主張はよくあるが、これまでに見たことのないパターンのものを見つけた*1。要約すれば以下のようになる。

カナダの21の病院でのデータでは、インフルエンザの患者さん(成人)のうち、71%はインフルエンザのワクチンを接種していた。これではワクチンに予防効果があるとは言えない。



さて、問題。Q.上記のデータからインフルエンザワクチンの予防効果の有無について判断できるか?

*1:URL:http://miyatak.iza.ne.jp/blog/entry/1192887/allcmt/#C1276850

練習問題(1)の回答:
宮田一雄記者のブログでの著作権法に反して桜子さんの文章を批判しやすいように不正な改変をしています。

次の囲みの文章は「宮田一雄記者のブログでの桜子さんのコメント」より引用です。比較してください。


カナダの21の病院でのデーターで、インフルエンザの患者さん(成人)のうち、71%はインフルエンザのワクチンを接種していたとあります。
http://www.journals.uchicago.edu/doi/abs/10.1086/523584


製薬会社のインフルエンザワクチンに関する宣伝文句(添付文書)をご存じですよね。
とても予防効果があると大きい声では言えません。
重症化を抑える効果があるという話になています。

「とても予防効果があると大きい声では言えません。」の文章は添付文書の段落でカナダの21の病院でのデーターの段落とは別の段落に属する文です。また、「とても予防効果があると大きい声では言えません。」との文章はあいまいであまり論理的ではないですが一般人の普通の気楽な会話では「あまり効果がない」という意味です。NATROM氏の要約の文の「これではワクチンに予防効果があるとは言えない。」という意味ではありません。また、あいまいで論理的でない表現の原因は会話相手の自称・元勤務医のskyteam氏が個人的体験からワクチンの効果を導くという非科学的論法を受けてのものです。桜子さんには非難されるべき点はありません。


しかし、NATROM氏の悪質さは、そのような生易しいものだけではなかったのです。NATROM氏の「ニセ科学」の判定基準が、


1. 科学を装う
2. 科学ではない
という事で、桜子さんの気楽で論理的でなく非科学的な「とても予防効果があると大きい声では言えません。」という表現をあいまいさがなく論理的で科学的表現の「これではワクチンに予防効果があるとは言えない。」と無理やり書き換えた上で「科学を装った」と断罪して「ニセ科学」だと批判したのです。

これはひどいものです。たとえて言うなら中世ヨーロッパの魔女狩りで気に入らない女性に無理やりトンガリ帽子を着せて箒と黒魔術の本を持たせて魔女だと判決で断罪するような卑劣な手法です。